高齢者介護施設の種類

高齢者介護施設といっても、様々な種類の施設があります。

このページでは、それぞれの施設の特徴や費用の目安などをご案内しています。


・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
・有料老人ホーム(介護付、住宅型、健康型)
・サービス付き高齢者向け住宅
・ケアハウス


特別養護老人ホーム

≪内 容≫

要介護状態にある入所者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴や排せつ、食事などの介護、相談援助、その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行うことで、その人の能力に応じた生活が営めるよう支援する施設

 

≪入居対象者≫

身体上または精神上に障害があるために、常時介護を必要とする、要介護3~5の人で、かつ在宅での介護が困難な人

※要介護1、2の人は対象外であるが、心身の状況やその人の置かれている環境、その他の事情で在宅での生活が困難と認められた人は特例で入居が認められる場合がある。

 

≪費 用≫

約5万~15万程度

基本料金:施設サービス費(おむつ代込み)や各種加算の1割か2割+食事代+居住費+日常生活費

低所得者の負担軽減制度(補足給付)あり

従来型の多床室(約4~10万)とユニット型の個室(6~15万)では負担費用は異なる

 

≪提供されるサービス・職員体制≫

嘱託医あり。診療・往診可能。

看護師は常勤配置(夜間は不在)

施設によって、「胃ろう」「インスリン注射」「痰の吸引」「リハビリ」「看取り」など対応が異なる

介護職員が24時間、365日対応

 

≪手続き≫

直接施設に申し込み

 

≪その他≫

入居待機者が多く、申込をしても即入居とはならない。

施設によっては、慢性的な職員不足

入院後に施設に戻ることができるか?(3か月程度が限度)


介護老人保健施設

≪内 容≫

病状が安定し、リハビリ、看護、介護を必要とする人が、主として病院から自宅に帰るまでの準備期間として利用する施設。医師、看護職員や理学療法士、作業療法士等のリハビリ専門の職員が配置され、医療的ケアと日常生活訓練を中心とした生活援助の両方が受けられる。

 

≪入居対象者≫

病状が安定期にあり、入院の必要はないが、常時医療管理が必要な要介護1~5までの要介護者

 

≪費 用≫

約4万~15万程度

基本料金:施設サービス費(おむつ代込み)や各種加算の1割か2割+食事代+居住費+日常生活費

低所得者の負担軽減制度(補足給付)あり

要介護度や利用者負担の段階、施設の療養環境などで異なるが、従来型の多床室の場合は目安として約4万~8万。

 

≪提供されるサービス・職員体制≫

医師が常勤配置

看護やリハビリ、栄養、介護などの専門職が配置され、医療的ケアと日常生活訓練を中心とした生活援助を提供

入所者の緊急時や看取りも含めた対応もする医療機能強化型も創設

 

≪手続き≫

直接施設に申し込み

 

≪その他≫

特養入所待ちの人も多く、入所期間が長期化

施設によっては、慢性的な職員不足

長期の入所希望の待機者が多い


認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

≪内 容≫

地域の一戸建て住宅やアパート、マンションなどで認知症の状態にある人たちが職員の援助を受けながら、少人数のグループをつくり、家庭的な雰囲気の中で共同生活を営む施設。

地域密着型サービスなので原則として、当該市町の住民が入居できる。

 

≪入居対象者≫

認知症の症状のある人(医師の診断が必要)で、要支援2、要介護1~5の人。認知症状が急性の状態で共同生活が困難な場合は対象とならない。

 

≪費 用≫

約8万~15万程度

基本料金:介護サービス費や各種加算の1割か2割+食事代+居室代+管理費など

低所得者の負担軽減制度(補足給付)なし

入居一時金が必要な施設が多い

費用は施設により幅がある。

 

≪提供されるサービス・職員体制≫

地域の住宅や集合住宅などで、介護職員の援助を受けて、少人数のグループ単位で家庭的な雰囲気の中で共同生活を行う。

地域の社会の中で、職員と一緒に買い物をしたり調理をしたりして、認知症の進行を緩やかにする効果がある。

 

≪手続き≫

直接施設に申し込み

 

≪その他≫

施設によっては看取りも行っている


有料老人ホーム(介護付、住宅型、健康型)

≪内 容≫

高齢者が暮らしやすいように配慮した住まいに、食事の提供、介護の提供、洗濯掃除等の家事、健康管理などの日常生活を送るうえで必要なサービスの提供を行う施設。

「健康型」「住宅型」「介護付(一般型特定施設)」「介護付(外部サービス利用型特定施設)」の4タイプに分かれる。

特定施設入居者生活介護の指定を受けていない施設は、「介護付き」「ケア付き」等の表示を行ってはいけない。

 

≪入居対象者≫

おおむね60歳以上の人が対象。施設によって、入居の要件が異なることがある。

 

≪費 用≫

約12万~25万程度

食費+居住費+管理費+水道光熱費など

入居一時金が必要

特定施設や外付けの介護サービスを利用するときは、1割又は2割の利用料が必要

 

≪提供されるサービス・職員体制≫

特定施設の場合は、介護職員や看護、リハビリの専門職員、相談員などの配置が義務付けられている。

 

≪手続き≫

直接施設に申し込み

 

≪その他≫

医療の提供が頻回になった場合や、認知症の悪化により共同生活を営むことが困難になった場合など入居の継続が困難になることがある。

各施設にサービス内容を確認することが大切。

施設によって、居住の権利形態や利用料の支払い方法が異なるため、よく理解して契約する必要がある。

 

≪タイプ別概要≫【厚生労働省「有料老人ホーム設置標準指導指針」より】

① 介護付(一般型特定施設)

介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。

介護保険法上の「特定施設」に該当し、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けて、特定施設サービス計画に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護サービスや洗濯、掃除等の家事、健康管理、生活上の相談・助言、その他の日常生活上の世話及び機能訓練、療養上の世話等のサービスを一体的に提供をうけることができる。

当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能。

※介護サービスは有料老人ホームの職員が提供する。

 

② 介護付(外部サービス利用型特定施設)

介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。

介護が必要となっても、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護を利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能。

※有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施。介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供する。

 

③ 住宅型有料老人ホーム

生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。

介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能。

※特定施設入居者生活介護の指定を受けていないと介護付き・ケア付き等の表示はできない。

 

④ 健康型有料老人ホーム

食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。

介護が必要となった場合、契約を解除し退去しなければいけない。

※特定施設入居者生活介護の指定を受けていないと介護付き・ケア付き等の表示はできない。

 

居住の権利形態

①建物賃貸方式:一般の賃貸住宅と同じように、家賃や管理費、水道光熱費などを支払う方式

 

②終身賃貸方式:建物賃貸借方式のうち特約によって死亡をもって契約を終了するもの。都道府県知事等から終身建物賃貸借事業の認可を受けている場合にのみ、表示できる。

 

③利用権方式:入居一時金を支払うことで、専用居室や共有スペースを終身にて利用できる権利。所有権ではないため相続できない。



サービス付き高齢者向け住宅

≪内 容≫

国土交通省(高齢者住まい法)と厚生労働省の管轄の下、従来の高専賃などを整備したもの。

高齢の単身者や夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅。

建物はバリアフリー仕様で、日中は一定の要件を満たすケアの専門家が常駐。

 

≪入居対象者≫

おおむね60歳以上の人が対象。施設によって、入居の要件が異なることがある。

 

≪費 用≫

約12万~25万程度

食費+居住費+管理費+水道光熱費など

賃貸住宅であり、敷金、礼金が必要

外付けの介護サービスを利用するときは、1割又は2割の利用料が必要

 

≪提供されるサービス・職員体制≫

サービス付きとは「見守り(安否確認)サービス」と「生活相談サービス」

日中は一定の要件を満たすケアの専門家が常駐、常駐しない時間帯は緊急通報システムで対応する。

 

≪手続き≫

直接施設に申し込み

 

≪その他≫

有料老人ホームと比べると、比較的介護度の低い方の入居が多い

重度の介護が必要になると退去しなければならない場合がある

常時介護を受けられるわけではない


ケアハウス

 ≪内 容≫

家庭環境や住居の事情により、自宅での生活が困難な人、または身寄りのない人が自治体などの助成により比較的低額な料金で入居できる軽費老人ホームの内、C型の施設。

軽費老人ホームにはA型、B型、C型があり、C型をケアハウスと呼ぶ。

ケアハウスには一般型と介護型がある。

 

≪入居対象者≫

一般型は60歳以上、夫婦の場合はどちらかが60歳以上。

介護型は要介護度1以上、65歳以上。

身のまわりのことが自分でできる、共同生活ができるなど施設によって、入居の要件が異なることがある。

 

≪費 用≫

約6万~17万程度

食費+居住費(家賃)+管理・運営費+水道光熱費など

入居一時金が必要(金額は施設により異なる)

介護型は介護保険自己負担分も必要

一般型も介護保険の在宅サービスを利用するときは、1割又は2割の利用料が必要

 

≪提供されるサービス・職員体制≫

一般型は職員による見守りや食事、洗濯、掃除などの生活援助

介護型は食事、入浴などの介護サービスや機能訓練や医療的ケアを行う

 

≪手続き≫

直接施設に申し込み

 

≪その他≫

一般型は初期費用が安いが、介護型は高い

有料老人ホーム等と比べると、利用料は安い

一般型は介護保険の在宅サービスを利用できるが、介護度が重度になると退去しなければならない場合がある。

介護型は重度になっても住み続けられる